第10回 笑われる出産
 

 こんなに苦しくて痛い思いをしたんだから、何かのネタに使って元をとらなくてはと思い、今回は私の出産体験記をお送りします。

 とはいっても出産時の様子はいろいろなな出産本で書かれているとおり、陣痛がきたらものすごい苦しくて、あられもない姿となるという身もふたもないという状況。途中でやめるわけにもいかないから、とにかく出しちゃえという感じだった。常に便秘がちだった私は、そこで養われた技術のおかげで「いきみ方がすごく上手い。まるで経産婦さんみたい」とやたらほめられました。

 そんな出産シーンの中で私が一番印象に残っているのは、陣痛でもだえ苦しんでる私の姿をみて必死に笑いをこらえているダンナの顔。これを予想していた私は、ダンナにはあらかじめ「産まれてから病院に来てくれればいいから」と釘をさしておいた。なのに、陣痛が弱く、2日がかりの難産で当日はまだ生まれそうにないといわれていたところ、急に本格的な陣痛が始まったので、運悪くダンナが立ち会ってしまった。ハフハフいいながら苦しむ私のそばで母親や助産婦さんの手前、笑い出すわけにもいかず必死に笑いをこらえるダンナ。私は「ああ、きっとこの姿をあちこちで笑いのネタにされるんだろうな…悔しい…」とそんなことばかり考えていた。

 出産後は色々な人からお祝いをいただいた。愛人選手は足で書いた命名をもってきてくれ、これがなかなか味のある字体でいい感じだった。

 そのほかに、いろいろともらったお祝い品のなかでもブッとんでたのはマチズモ神山。彼が娘にくれたものはプロテインやビタミンなどのサプリメントとコスプレ用のレースクィーン衣装。どこの世界にプロテインを飲んで、レースクィーンのコスプレをする乳幼児がいるんだ。

 そしてドッグレッグスの仲間の反応は…まず虫けらゴローは娘と結婚し我が家の養子になると意気込み、愛人と瑞穂夫妻は息子の嫁にと名乗りをあげた。そんなやりとりをみていたマチズモ神山はポツリと「なんか戦国大名の権力争いみたいだな」ともらした。早くもドッグレッグスの権力闘争に巻き込まれていく気配。おもしろそう。

 そして、これからの楽しみはどんな形でドッグレッグスに参加させるかということ。まずはビデオかな。生の赤ちゃんを使えることなんてめったにないし、色々なストーリーが考えられる。例えばマチズモ学園の前に捨てられてる赤ちゃん役とか、超ロリコンのレスラーに襲われている役とか・・・ああ考え出すと止まらない。自分の赤ちゃんだから気をつかわなくていいし、思いっきりやれるな・・・と笑いの止まらない女社長でした。