一時は「毎日中学生新聞」でミユージックライターをやっていたという神山が、ドッグレッグスのレスラー達の過去の入場テーマについて語る。
 
第1回 不安
 

 元気がでない時はどうすればいいんだろう?

 失敗したらどうやって謝ればいい?

 つらく悲しい気分、おまえたちならどうやって吹き飛ばす?

 オレ? オレならどうするかって?

 不安、不安ねぇ……オレはねぇ、不安って奴と友達になっちまったんだよ。

 あいつとは、中学生の頃からの長い長ーい付き合いさ。先生や友達の顔色をうかがう度に不安になり、テストが近づく度に元気を失ったもんさ。

 大人になっても一緒。心配事がつきる事はなく、毎日が綱渡りみたいなもんさ……。

 かわいそう? おいおい、ちょっと待てよ。同情なんかする必要はないぜ。オレはオレでこんな毎日をエンジョイしてるんだから。

 不安っていう友達と一緒にロックを聴く。それは何でもない風景かもしれない。でも、そこに不安があるから、イマジネーションが働き、一曲のロックがかけがえのない産物に生まれ変わるのさ!

さーて、今日は何を聴こうかな? キング・クリムゾンの「21世紀の精神異常者」? ローリング・ストーンズの「黒く塗れ」? サバイバーの「ハート・オン・ファイアー」?

 あれ? これらの曲の数々は! なっ、なんとドッグレッグスのレスラーたちの昔の入場曲じゃないか!

 よーし、あのいにしえの名曲を、この「カモン!ロック道場」でオレが蘇らせてやる!

 そして、錆び付いた感性をもう一度蘇らせるのだ!