「来るべき21世紀も人間は時代に絶望し、精神異常者になるしかない」
あたかも今の世の中を予言したかのようなメッセージ。キング・クリムゾンが”21世紀の精神異常者”を発表したのは1969年のことであった。
それまでのアメリカのヒットチャートに登場する曲の歌詞といえば、「かわいいベイビー、おまえのことを考えると、胸がはりさけそうだぜ!」とか「キスして恋して、さぁ、レッツ・ツイスト・アンド・シャウト!」といった具合であった。
”恋ってそんな単純なもんかい?”って思わず突っ込みたくなるような歌詞が溢れるなか、キング・クリムゾンの内省的かつ絶望的な歌詞がチャートを駆け上る様はかなり異彩を放ったはずである。
それもそのはず、バンドの中心人物であるロバート・フリップにとっての音楽は、いわゆる楽しむための音ではなく、現実社会における欺瞞を人々に認識させるための手段だったからである。
さてクリムゾンの予言どおり、21世紀の異常者が溢れる世の中。何をどうすればよいのだろう?
以前この曲で入場していたブルース高橋は現在のこのような世の中をどう考えているのだろう。今度聞いてみよう。
たぶんこう言うぞ。
「そんなことより、僕の入場テーマ曲、こんな歌詞だったんですか? へぇー」
|