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（前ページからつづく）
──今度の試合はプロレスルールというか、これまでのドッグレッグスの異者格闘技ルールですね。
慎太郎 北島さんが噛んできたら、ぼくも噛もうと思っている。
──いや、今度の試合形式は、何でもありではないんですけど。
慎太郎 そうですけど、ルールで決められるではなく、自分でやりたいようにやらないと北島さんには勝てないと思うのですね。自分の心のままに闘いたいのですね。
──それが慎太郎スタイルだと。ということは、バーリトゥードでは何か心にひっかかっていたから、慎太郎スタイルで闘えなかったというわけですね？
慎太郎 はい。
──今度の試合は、降着したらブレークがかかりますけど、北島選手は前回同様にグローブをしてくるようです。
慎太郎 僕はグローブはしません。負けるとは思っていないけど、負けたらグローブしようと考えるかもしれない。
──では、寝技で勝つ自信があると。
慎太郎 寝技の方が勝てる可能性があると思う。ヘビー級もチョークスリーパーが解禁になったし、あとは楽しみにしてください。「巴DDT」という新兵器もあります。
──前回の対決の後のことなんですが、ルール問題で後からクレームをつけてたそうですね。試合出場停止処分になったと聞きましたが。
慎太郎 何と言ったらいいのか……自分がわがままを言い過ぎたから。
──ルールをバーリトゥードにしたことを、試合が終わってから北島に文句を言ったんですよね。
慎太郎 はい。観客やレスラーのことを無視していると言ってしまいました。でも、本当は仕事が見つからなくてのことでむしゃくしゃしていたから、それで北島さんに当たったのです。負け犬の遠吠えだったと思います。
──日本福祉大学以降の遠征は白紙だそうですね。
慎太郎 出場停止ですから、わかりません。
──出場停止になったときでも、エースはオレなんだよ言っていたそうですね。
慎太郎 はい。それだけのつもりでやっているんです。でも、それはみんなも自分がエースと思っているのではないのですか。
──以前はドッグレッグスも、慎太郎と浪貝の二枚看板でした。でも、今は複数エース制という形になっていますよね。それについてはどう思いますか？
慎太郎 いや、自分では僕はドッグレッグスのエースだと思っています。
──フロントは複数エース制をとっているかもしれけど、自分ではエースはサンボ慎太郎一人だと思っているとうことですか？
慎太郎 違う。お客さんにとっては、いろいろなエースがいてもいいと思います。でも、自分の気持ちはエースでいるということです。
──慎太郎選手に対しては、ファンの目も厳しいではないですか。一番酷な試合をしているのに批判されるのでは、正直に言ってたまらないのでは？
慎太郎 頭にきたりはしませんよ。ファンの声は気になりますけど……言われたことは素直に受け止めます。
──どんなにバカにされても？
慎太郎 むずかしいですね。慎太郎スタイルが間違っていると思う人はいるかもしれないけど、自分は自分のことを信じるだけです。
──どうして自分のことが信じられるのですか？
慎太郎 僕は自分のことが一番好きなのですから。だから、自分のことも信じられるのですね。
──どうして、そんなに自分のことが好きになれるのですか？
慎太郎 女がいないから、自分を好きになるんです。
──えっ！？
慎太郎 それは冗談。僕は鏡に写った自分の姿が一番好きなのですね。
──それは、つまり外見が好きということなんですか！？
慎太郎 外見だけではありませんよ。僕は、親とか北島さんとか、いつも誰かに助けられているけど、でも自分は苦しいところで頑張っていると思う。自分で自分のことを誉めてやりたい。
──……今日はありがとうございました。
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